自分なりのマニュアルができるまでの秘話

雑談が苦手…というか、できない…

会話が続かない…


そういう悩みを抱えている人が、多そうです。


インターネットで検索してみると、「会話の仕方」の方法がたくさん出てくるし、書店へ足を運んでも、それ関連の本がズラーリと並んでいます。


それだけ、人との会話で悩みを抱えている人がいるということで、私はそのことを思うだけで少しだけホッとします。


「私だけじゃないんだ…」と。


しかし、社会に出ると、まるで自分以外の人たちは、あらかじめ台本を渡されているかのようにスラスラと自然におしゃべりを楽しんでいるのに対して、自分はいったい何を話したらいいのかわからない!


特に、飲み会なんかに行った日には…心がバッキン!と音をたてて折れます(笑)


雑談のような会話には、「その場の空気を読み取る力」が割と重要なようで、その力に長けている人は、雑談の方法では悩んだりはしないみたいです(逆に「空気が読めすぎる」と、それはそれで苦労することもあるようですが)。


「空気を読む」ような能力は、どうやら生まれつき決まっているらしいです。

「空気が読める」人は、ほんの小さい頃からすでにその力があるもので、逆に「空気が読めない」自覚のある人は、何かの訓練で空気を読めるようにするというのは難しいらしい…。


私は、「空気が読めない」せいで、人間関係に苦労し、自分が恥ずかしくなり、引きこもりになった時期もありました。


それでも、どうしても社会に出なくてはいけない理由ができ、「さぁどうするか」となったとき、まず私が一番に「やらなければ」と思い立ったのは、「自分自身の対人方法マニュアル作り」でした。


私は、「空気が読めない」「会話の“やり方”が分からない」という自覚がずっとあり、「同僚とまともな会話ができない」せいで仕事場に居にくくなって辞めてしまうたちだったので、まずは「自分でもうまくいく“シンプルな対人方法”」を考えることにしたのです。


もちろん「空気が読めるようになる方法はないか」と必死になって図書館やインターネットで調べたりもしましたが、残念ながらやはり「空気を読む能力」は先天的なもので、努力で身につくものではなさそう、という結論にいたりました。


それなら、「空気が読めない人間でも最低限雑談などが成り立つように、“頭でわざわざ考えなくても”できる方法をまとめよう」と思いまして、私はあえて苦手な「接客業のアルバイト」に就き、そこを実験場として、新しい方法を調べては試し、また調べては試し、を繰り返しました。


そこで働くまでの私は、とても自慢にはなりませんが、20カ所以上のアルバイトに就いては辞めて、また就いては辞めて、という状態でした。

そんな私も、さすがにそろそろなんとかしなくてはと、一念発起しまして、「次のアルバイトを辞めるときは死ぬときだ(大袈裟!)」と自分に言い聞かせたのでした。


「ここではどんなに嫌なことがあっても、どんなに人に嫌われても居座ってやる」と誓っていました。

会話の仕方を勉強して、試して、失敗したらなぜダメだったかを考えて改善する…の作業は、約2年続きました。そう、「嫌われても恥ずかしい思いをしてもいいや」と捨て身で行ったのがかえってよかったようで、初めて半年以上仕事が続いたのでした。


そしてそこで、本当に生まれて初めて、「人と話せるようになったかも!」という実感を得られ、仕事を辞めるころには「一緒に話していて楽しい」と思える仲間がたくさんできたのです。


この記事を書いている今ではもうそのアルバイトを辞めてから2年近くたちますが、いまだに「たまには遊びに来なよ」と言ってもらえることが嬉しいです。社交辞令だとしても、過去にはそういう社交辞令すら言い合う人間関係すら築けなかった身としては、冗談でなく奇跡が起こったような気持ちです。


今では社員として別の会社で働いていますが、アルバイトの2年間で身につけた「空気が読めなくても最低限の対人ができる方法」を、ずっと使っています。


生まれつき「空気が読めない」人は、「空気が読める」人と違って、小さい頃にまわりの人とやりとりすることで自然に会話の方法を身につける、ということができませんでした。


「空気を読む」は、言葉で説明しにくい「感覚」の部分なんだと思います。その「会話感覚」が頼りにならないので、「感覚」にはあまり頼らないでできる方法にしないと、私には使えませんでした。


「感覚」に頼らない方法が具体的にどんなものかというと、それは「頭で代表的なやりとりをパターンとして覚えてしまう」方法です。


覚えるときいて、「会話のパターンなんてありすぎて覚えられないだろ!」と感じる方もいらっしゃると思いますが、大丈夫、そんなに多くありません。最低限、雑談をやり過ごすレベルなら。


ただし、1つだけ断っておかなくてはいけないことがあります。私の方法で達成できるレベルは、元々「雑談が好き、話上手」の方とは比べものにならないくらいに低いです。


でも、がっかりしないでください。「会話がぜんぜん続かない!コミュ障!」状態から、私の方法を試して、「前よりちょっと会話が続くようになったぞ!」という“感動”を得られたら、きっと少し自信がつきます。そうしたら、もっともっといろんな場面や人で試してみて、そうするとだんだん「余裕」も生まれてくるでしょう。うまくいけば、いつの間にか「あどどきす」のことなんかすっかり忘れて、人と他愛もない会話を楽しんでいる瞬間が来ます。そうなったらしめたもの! 「会話ができない」ことで自信がなかったあなたは、いつの間にか、以前より自分に自信をつけることができるかもしれません。


本来、「会話がうまい、下手」はそんなに大きな問題ではないのです。

私たち「空気が読めない」人は、「空気が読めない」が故に、相手に「違和感」を与えてしまうことが、対人関係にとって問題なのです。

だからまずは、「違和感なく会話できるパターン」を身につけて、会話相手をとりあえず安心させましょう。

そして、自分自身も、「最低限の会話パターン」を知っていることで、少し安心して、人と接することができるようになる。

そこを、私の使っている「あどどきす法」は目指しています。


間違っても、私の方法で「飲み会の盛り上げ役」になることはできません(笑)

それでも、私のように「雑談が苦手」の意識がある方には、多少なりとも役立つノウハウだと思いますので、ぜひサイト記事をご覧になってください。


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