「あ」 アイコンタクト(目を合わせること)をしよう

アイコンタクトはなぜ重要?



★その答えは、「なぜアイコンタクトをしたくないのか」にある。


人とのコミュニケーションが苦手な人のなかには、“人と目を合わせること”をあまり好まない方もいると思われます。


その理由は、たとえば…“授業中指名されたくない!”など、はっきりと「目的をもって」目を合わせない場合もあると思いますが、多くは“なんとなく気まずい・緊張する”というものだと考えられます。


ではなぜ“なんとなく気まずい・緊張する”のでしょうか。その理由は、そのまま「なぜアイコンタクトをしたくないのか」に直結しています。


ずばりそれは、「アイコンタクトをすることは、積極的にその相手とコミュニケーションを取ろうとする意思として相手に伝わりやすい」からです。


だからこそ、私たちは無意識に、授業中当てられたくない場合には、先生とはなるべく目を合わせないようにするのです。


もし意識的に先生と目を合わせたら、「私はあなたの話に関心があり、熱心に聞いています。意欲的にこの授業に関わりたいという意思があります」というメッセージが伝わってしまうことを、私たちは誰に教わるでもなく、知っているのです。


「アイコンタクトをすることは、積極的にその相手とコミュニケーションを取ろうとする意思として相手に伝わりやすい」ということを、なんとなく感覚で知っていること、これが、人と目を合わせることが“なんとなく気まずい”の正体です。



逆に、「なぜアイコンタクトは重要か?」と問われれば、もうおわかりのように、アイコンタクトをすることによって「積極的にその相手とコミュニケーションを取ろうとする意思として相手に伝わりやすい」からです。


相手も、コミュニケーションに消極的なイメージの人よりも、コミュニケーションに積極的なイメージの人のほうが話しかけやすいし、なんとなく性格も“オープン”な雰囲気がして、安心できるのです。


目をまったく合わせない人には、なんとなく「なにか隠し事ややましいことでもあるのかな」という雰囲気すら感じてしまうこともあります。


そして更に、目を合わせない人には、「コミュニケーションに消極的→自信がないか、よほど変わった人か」という印象を与えてしまいます。



「あいさつ」のページでもお話しましたが、もしあなたが人よりも優れた容姿、能力、経済力などを持っていたとしたら、コミュニケーションが苦手でもただ単に「少し変わった人」という印象になるだけでしょう。少し悪くなっても、「付き合いにくい人」くらいです。


ただ、このサイトの管理人である私を含めて、大半の人はそんなにひとよりぬきんでですばらしい才能を持ち合わせてはいないと思います。

(たびたび、はなから私と一緒にしてしまって申し訳ありません。)


そういう私たちが、もし、「まったく目を合わせない」と、どうなるか。


「コミュニケーションに消極的」なことによる、「自信がなさそうな人」、「変わった人」、「やましいことがありそうな人」などの、“負のイメージ”をそれに変わる才能で軽減することができないので、もろに「そんな負のイメージの人」になってしまうのです。


はたから見て、才能もなさそうなので、ただ単に「付き合いにくい人」ではなく、オドオドしている「人に舐められやすい人」です。


「人に舐められる」ことは、私たちの自尊心を傷つけ、更にオドオドした「人に舐められやすい態度」をしてしまうことを助長することになります。



★ここでも、劣等感が邪魔をしている


「アイコンタクト」、つまり“目を合わせること”は、相手と積極的にコミュニケーションを取ろうと図ることにつながります。


しかし、気まずい。それはなぜか。


理由は明白、私たちコミュ障は、そもそもコミュニケーションが苦手なのでした。

「アイコンタクト」をすることによって、わざわざその苦手な行為をしなくてはならない状況が増えるのですから、積極的に人と目を合わせようとする方が不自然なのです。


そう、私たちは「目を合わせない」ことによって、相手という“先生”から雑談という機会に“指名される”のを避けているのです。


授業中当てられるのが嫌なのに、先生と目が合ったら気まずい思いをするでしょう。


でももし、「先生に当てられて発言をしたい」と自ら望んでいる場合だったら?


自分から、積極的に目を合わせていくでしょう。そうした方が、先生の方も自分を指名しやすくなることを、感覚で分かっていますから。


それと、普段のコミュニケーションの場も同じです。


もし自ら「相手と雑談などのコミュニケーションを図りたい」と思っていたら、わざわざ無理をしなくても相手と目が合うようにすると思います。



あなたは、この「雑談&対人マニュアル」の閲覧者です。(そして、わざわざ、このわかりにくいへたくそな文章を読んでくださっている、心優しい、あるいは忍耐強い人です。)


「雑談の苦手を克服したい」という目的意識をもって、このページを閲覧してくださっているわけですから、「相手と積極的にコミュニケーションを図りたい」と思ってくださっているに違いありません。


そこまでいかなくても、「無難に雑談をやり過ごしたい」と。


「雑談をやり過ごす」意味は、「社会的な場で居やすくする」ということにあると思います。雑談が苦手な私たちは、無難な会話ができないから、学校や職場で居にくくなり、悩むのです。


その場に居やすくするのが目的なのに、その場の人から「舐められて」しまったら、そこに居るとどんどん己の自尊心は削られてくるし、居やすさからはほど遠くなってしまいます。


ですから、「舐められない」ための対策の一つとして、ぜひ「人と意識的に目を合わせること」つまり「アイコンタクト」を心がけてみてください。


しっかりと目が合う人には、なんとなく「その人の意思」が感じられて、相手はより相手のことを「ちゃんとした意思をもった、一人の人間」として扱います。


たとえその人の「意思」の部分が、自分とはかけ離れていたり、合わないと感じるものであっても、ただ単に「自分とは違う一人」として見るだけで、「自分より下に見る」とか「軽んじる」ことはありません。


これは、「コミュニケーションの場において」という意味で、相手にきちんと存在感をもつかどうかが「アイコンタクト」で変わる、という意味です。



……例えばの話ですが、唐突に「おまえを殺す」と言われたとして、下を見て目を合わせないで言われた場合と、しっかりと目をまっすぐ合わせて言われた場合に、どちらがより存在感があり、「軽んじられない」と思うでしょうか。たぶん大体の方は、目を合わせて言われた方が、迫力があり、その人の強い意志を感じるのではないでしょうか。それと同じです。


意識的に「目を合わせる」ことをして、相手に「自分はきちんと意思を持った一人だ」と伝え、軽んじられないようにしてください。



★アイコンタクトによって、相手もあなたに話しかけやすくなる


先ほどは少し極端なたとえ話を挙げてしまいましたが、アイコンタクトによって相手に恐怖感を与えてしまう、という話がしたかったわけではないのでご注意ください。重要なのは、「意思を感じるか」どうか。


そして、授業中の例のように、アイコンタクトをとることは、積極的に相手と関わりたい、というメッセージを相手に与えることにつながります。逆に、目が合わない生徒には、「自分の話が面白くないのかな」「当てられたくないのかな」という感じを受けてしまいます。


これから「雑談&対人マニュアルページ」により、“雑談のヒント”を学び、積極的に、あるいは必要なときだけに雑談をしコミュニケーションを図っていこうとしているのですから、大丈夫。

相手と目を合わせ、積極的なイメージをもたれて話しかけられても、あなたはやり過ごせます。



“雑談”を無難にやり過ごそうという場面でも、「アイコンタクト」は必須です。

いくら目指すところが「無難」でも、「アイコンタクト」がなければ、なんとなく「信用ならないやつ」「安心できないやつ」のイメージを持たれてしまい、それはそもそもの目的の「無難に雑談をやりすごす」ことによって「その場に居やすくする」ことにはつながらないでしょう。


ぜひ、「アイコンタクト」をこれまで以上に重視していってください。