「あ」 “明るめ”に声を出そう

コミュニケーションで重視されるのは、話す内容ではなく“雰囲気”です



雑談が苦手な人のなかには、そもそも対人恐怖症ぎみで、人と話すことに極度な緊張や不安をもってしまう方もいそうです。


だから、いざそういう場面になると、そういう内面の“不安感”がしぐさや態度として外に出てしまい、相手にもそれが伝わってしまいがちです。


緊張しやすく、不安になりやすいタイプの人でも、外見はぜんぜんそんな風にみえなく振る舞える、という方もいらっしゃると思いますが、そんなタイプの方には「雑談の方法」を知るための当サイトの知識は必要ないでしょう。


当サイトを閲覧してくださっている方はおそらく、いくら内面が不安でも、「外面は普通の人と変わらなく無難に振る舞う」ことができたら、どんなにいいだろうとすら思うかもしれません。



……大丈夫です、その方法が「あどどきす法」なのですから。不安感や緊張感を追い払う「自信」は、あとからついてくるはずです。


話を戻しますと、「内面の不安さ」を抱えている場合、「外面だけ無難に振る舞う」という器用なことができない私のような「コミュ障」の人は、その「不安」が表に出てしまいがちです。


具体的には、「なるべく目を合わせないし、挨拶をしない」とか、「声が極端に小さい」とかです。


それがあるとなにがいけないかというと、この「あ」の項目のいろいろな場所言っているように、相手に「舐められてしまうこと」です。

コミュニケーションにおいては、この人は自分よりも遙かに劣っているという印象を与えてしまうことです。


そうなると、私たちは更に自分の自尊心を低くし、更にオドオドした態度をとってしまいがちなのでした。


それを克服し、社交の場で、まず「私はあなたとコミュニケーションをとることにおいて、ある程度対等な立場にいます」という状態にもっていくことが、あどどきす法の「あ」の、第一目標なのです。



幼稚園児と30代の大人では、そもそも対等なやりとりではなく、大人のほうが幼稚園児に合わせて会話することが求められます。

それと一緒で、コミュニケーションの場において相手に気を遣わせずに無難に過ごすには、ある程度こちらのコミュニケーションのレベルも相手と対等なものに合わせないといけないわけです。


30代の大人は、幼稚園児よりは大人ですから、小さい相手に合わせて会話のやりとりをすることが可能です。

でも、お酒を飲んで愚痴を聞いてもらったりする相手として、幼稚園児はふさわしくないでしょう。単純に、まだ知能や経験のレベルが違いますから、そんな相手に仕事の愚痴を話しても、楽しくないからです。(幼稚園児にしても、すごいめいわくな話ですが)。


……だからといって、相手に「あ、この人コミュ障だ」と悟られたら終わり、という話ではありませんからご安心を!


「コミュ障だ」とか、「シャイなんだな」と思われても、いいんです。問題は、そこじゃないんです。一番問題なのは、「オドオド、ビクビクした態度」なのです。


「何言ってるんだ、『オドオド、ビクビク』はコミュ障がコミュ障である証だろ」という声が聞こえてきそうです。大丈夫、コミュ障な人は、緊張が解けてオドオドビクビクがなくなっても、やっぱりコミュ障ですから(ぜんぜん大丈夫じゃない)。


「オドオド、ビクビク」が改善できると、人と良いコミュニケーションを築くにあたって、とても優位になります。「雑談」を克服したい場合、特にです。相手と、無難な「雑談よるコミュニケーション」をする以前に、こちらのレベルがそれが可能な状態になっていなかったら、そもそも「雑談によるコミュニケーション」が成立しないわけですから。

幼稚園児と30代の大人が気の置けない雑談の場を楽しむことができないことと同じです。雑談を楽しむ以前に、相手に気を遣わせてしまいます。



★オドオド、ビクビクを改善していくためには


それでは、具体的にどうしたらいいのかの話に移っていきましょう。ずいぶん前置きが長くなってしまい、申し訳ございませんでした。


「オドオド、ビクビク」、つまり不安感や緊張感をあらわにした態度というのは、相手に舐められてしまう原因になってしまい、対等な関係を築きにくく、更に私達自身の自尊心をより低くしてしまうことにつながるのでした。


それを改善するための一番てっとりばやい方法は、「自分自身に対して揺るぎない自信をもつ」ことだと思うのですが、そんなことなかなか可能なことではありません。大抵の人は、自分自身にそんな確固たる自信を持ち合わせてはいません。


それでは、自信のない私たちは、揺るぎない自信がわいてくるまで、待っていなくてはいけないのでしょうか。

……いいえ、そんな必要はありません。

「自信のないまま」、「不安なまま」、「緊張したまま」、飛び込むのです。


はじめは、かなり恐いと思います。普段の自分の習慣とはまったく違う行動をするわけですから、緊張が強い人だと変な汗や震えが止まらなくなるかもしれません。

でも、それでいいのです。とにかく、「飛び込む」のです。


「あどどきす法」のなかで、「あ」は、雑談というコミュニケーションのやり方を使う以前の「基礎の部分」について扱っています。「あ」はコミュニケーションを改善するために、一番重要ともいえる項目ですが、一番挑戦するのに「ハードルが高い」項目とも言えます。


ですが、だからこそ、それらに挑戦し、今までと違う行動をとりはじめられたときに、「劇的に効果がある」項目でもあるのです。


このサイトを閲覧してくださっている方でも、緊張感や恐怖感の度合いは、様々だと思います。中には、「いや、緊張はほとんどしないから、単純に『こうやるといい』という方法だけ知りたい」という方もいらっしゃるかと思います。そういう方は、ぜひその「才能」をそのまま生かして、あどどきす法を使っていってほしいのですが、そうでない方でも、もちろん問題ありません。


実はこのサイトを運営している管理人自身が、社交不安障害というものを患った過去がある人間です。それほど緊張の強い人間でも、雑談の苦手を克服できた、という経験と自信があるので、はっきりと「問題ない」と言えるのです。


不安なままでも、緊張したままでも、「行動」を変えると、まず「周りがあなたにもつ印象」が変わり、そしてそうなると周りの人のあなたに対する態度も変わってきます。

そしてだんだん、「自分も普通の人に近づけてきたかも」「意外と、大丈夫かも」という感覚がしてきて、次第に人とのコミュニケーションの不安感が消えていくと思います。


まずは、実際の「行動」から変えていきましょう!


その行動ですが、具体的には「あ」の他の項目である、「あいさつ」や「アイコンタクト」です。


そして今回は、「オドオド、ビクビク」の雰囲気を改善していくトレーニングにも、実践にもなる方法です。

それは、ズバリ、「明るめに声を出す」


「明るめ」とはなにか?

それは、イメージで言うと「張り」があり、「高め」で、「適正な大きさ」で、「親しみのある」声のことです。


単純に、明るい性格の人を想像していただいて、その人がどんな声を出すかを思い浮かべてもらえればいいです。その人は、間違ってもボソボソと何を言っているのか聞き取れないような声で話したりはしないと思います。


もちろん、同じ明るい性格の人でも、早口だったりゆっくり話したり、いろいろ話し方に個性はあるはずです。


とりあえず、ここでは、あなたの理想とする「明るい人」の声のイメージでかまいません

細かいことは、いいのです。とにかく、ここでのポイントは、その「明るめの声を意識して出す」ことです。それは、「オドオド、ビクビク」を改善するとっかかりになっていきます。



★明るめの声を意識しよう


さて、ここで、1つやってみてほしいことがあります。まず、怒った表情をしてみてください。鏡を見ても、見なくてもいいです。


できましたか? そうしたら次に、そのまま「明るめの声」で「おはよう♪」と言ってみてください。


…どうですか? うまくできましたか?

「普通にできたし!」という方、もう一度「おはよう♪」と言ってみてください。口角上がってませんか?


そうです、明るめの声を出すと、自然とつられて口角も上がりがちになり、表情が変わるのです。


人とのコミュニケーションにおいて、実は「会話の内容」はあまり重要ではなく、それ以上に重視されるのが見た目や態度などの「雰囲気」なのだそうです。

だからこそ、例えば「笑顔」を心がけるとか、女の人でしたら「化粧」をしたり、外見を整えることとかは効果的です。


「あどどきす法」では、その「雰囲気を良く変える」ために、「明るめに声を出す」ことを意識することを、提案します。

「明るめに声を出す」ことを意識すると、先ほど試したように顔の表情も、それに引っ張られます。そして実は、表情だけでなくだんだんと「心」のほうも引っ張られていくので不思議です


「ボソボソ声」だと、そもそも人と雑談する際、相手に自分の言っていることが聞き取れないかもしれません。

「雑談をあまり積極的にしたくない」という前提があるために、無意識に身体が「雑談を避ける」方向に行動するため、「ボソボソ声」になるとも考えられます。

これは、「アイコンタクトを無意識に避けてしまう」ことと一緒です。


ですが、「あどどきす法」、特に「あ」以外の「ど・ど・き・す」によって、具体的な雑談の方法はわかるので、もうこれからは、「雑談を避ける」方向にもっていく必要はなくなっていきます。


……とは言っても、長年染みついた自分の「やり方」は、すでに癖になっているので、ある程度は意識して行動を変えていかないと、自然には変わらないでしょう。

ですから、「明るめに声を出す」ことを意識することから、自分の身体を無意識に「コミュニケーションに適した行動をするように」引っ張っていきましょう!


長年会話を避けていて、声すらまともに出してなかったかたは、とりあえず歌でも歌って発声練習です(あ、そんなにマジメにやらないで、気楽にね)。


張りのある、明るい、少し高めを意識した声を練習しましょう。

アニメや声優さんが好きな方は、「明るめの声」のイメージにぴったりな声優さんを真似してみるのもいいかと思います。


そう、その遊び心とか、ワクワク感も大切です。それがそのまま「明るめの声」につながります。



そしてできれば、「明るめの声」にプラスして、「笑顔」もしてみましょう。

2つが合わされば、効果は絶大です。

今までまったくその2つをしてこなければ来なかった人ほど、周りの人が感じる印象を劇的に変えることができます!


「中身」は必要ありません。

「心」が伴っていなくても、いいのです。

無難な雑談とは、そもそも会話の中身はあまり重要ではないのです。


それと同じく、無難なコミュニケーションとは、必ずしも心が伴っていなくてもいいのです。

むしろ一般に「コミュニケーション上手」といわれる人たちは、自分の本心とは関係なく、無難に相手と合わせられるから故に、コミュニケーション上手なのかもしれません。


あなたも、バカ正直でいる必要はなく、「演技」でいいのです。これがうまくなればなるほど、「雑談」もうまくなるはず。バカ正直のままでは、他愛のない会話は難しいかもしれませんよ。


緊張したっていい、不安でも楽しくなくてもいい、心はとりあえず放っておいて、「明るめの声を出す」ことを始めてみましょう!


最初は慣れないことをして苦しい心も、徐々に引っ張られますから、大丈夫、頑張りましょう!


ここを乗り越えさえすれば、あとの「ど・ど・き・す」は、屁みたいなものです。