「ど」 同調してもらう

「~ですね」の形で喋って、同調してもらおう


とつぜんですが、「~ですね」のかたちで、一文つくってみてください。


…できましたでしょうか。


それを、「名指しをするテクニック」(プラスアルファのコツ)とくっつけます。

「名指し」とは、「〇〇さん、おはようございます」等、挨拶や話しかけるときに名前を入れて話すものです。


例えば、「~ですね」で、「今日も暑いですね」とつくったら、「〇〇さん、おはようごさいます、今日も暑いですね」となります。


これで、最初の会話のキャッチボールのとっかかり文句が完成です!


……さて、難しいことは考えず、まずはどんどん例文を考えてみましょう。



「~ですね」の形のセリフの例文

・やっと週末ですね

・今年はオリンピックの年ですね

・1年は早いですね

・最近よく会いますね(※語尾が“ですね”ではないですが、「~ですね」型です)

・ビールのおいしい季節ですね

・その服お似合いですね


…とりあえず、私がぱっと思いついたものを挙げてみました。


今回の記事のポイントは、「~ですね」で文を作ることです。

正確に言えば、そこにもう一つ、「~ですよね」も加わって、「~ですね・~ですよね」の形を使うことになります。


これは、相手に同意を求めることによって、会話のとっかかりをつくるためのセリフです。


人とよい関係を築くためには、相手から話しかけられるのを待つよりも、自分から先に話しかけて印象をよくしたほうが得です。会話が苦手な人は、「人に受け入れられる自信がない」状態の人も多いと思いますが(それゆえ、対人で極度に緊張したり苦手意識をもってしまう)、そんな方だと余計わかると思います、「こっちがうまく話さないにかかわらず、いつも笑顔で楽しそうに話しかけてくれる人がいると、その人に対しては安心する」という感覚を。


それを、こっちも相手に対してやるのです。


「こっちから先に話しかける」ということも、「名前を呼ぶ」同様、慣れない人にとってはとてもハードルが高いことに感じてしまうと思います。私ももちろん、そうでした。

けれど、「知識」として「先に話しかけた方が相手にとって印象がいい」と知ってからは、どうせなら印象をなるべくよくしたいと思い、緊張しつつも実践していきました。

そうしたら、これも「名指し」のように、とても「効果大」なことがわかりました。それに、これも「空気が読めないコミュ障でもなんとかできる」ことです。


もちろん、話しかけるべきでないタイミングに話しかけて迷惑がられてしまうのでは、という危惧があると思いますが、コミュニケーションを苦手としている方のたいていは、「話しかける量が足りてない」と感じます。そのせいで、相手にとっても、あなたに話かけるハードルがあがってしまっているのです

(コミュニケーションが苦手でなくても、初めてこちらから話しかけるとなると、少し改まった気持ちにならなくてはいけなく、緊張はしなくても気を遣うものです)。


ですから、まずは恐れずに、どんどんこちらから挨拶して、人と関わっていくことに慣れていきましょう。そうしたら相手のほうも、より安心してあなたに話かけることができるようになります。


※ちなみに、「空気が読めなくてトンチンカンな場面で人に話しかけてしまいがち」な、「奇異型アスペルガー」の方がいますが、そのタイプの方だと、確かに間違った場面で話しかけて相手を困惑させてしまうという恐れがあります。しかし「奇異型アスペルガー」の方は、あまり「人とコミュニケーションをとること」について苦手意識はなく、むしろ「コミュニケーションに積極的すぎる」ところがあるくらいですので、当記事の対象者である「雑談が苦手」の意識がある方々には、当てはまらないかもしれません。



では、先ほど「~ですね」の例をつくったので、今度は「~ですよね」の例をつくってみましょう。


「~ですよね」のセリフの例文

・やっぱり秋は栗ですよねー

・先週旅行に行ってらしたんですよね

・最近のテレビゲームってすごいですよね…

・猫カフェ、いいですよね~(テレビ等を見ながら)


これも、「~ですね」と同じように、会話のとっかかり文句として使います。


例)「〇〇さん、おつかれさまです。今日も一日暑かったですね。うちの工場にもそろそろクーラーがほしいですよね…」


上の例は「~ですね・~ですよね」を2つ使ってみました。


このように、「~ですね・~ですよね」のセリフを使えば、他愛もない雑談を人に振って話しかけることができるようになります。


もちろん、話しかける場面や雑談以外にも、仕事の会話とか、様々な場面で使うことができますが、まずは「会話が途切れた(汗)」という時などに、「え~と、“~ですね、~ですよね”だから……」と思い出して、とっかかりをつくるのに役立ててみましょう。


ちなみに、もちろん敬語でなくてはいけない訳ではなく、相手や場面に応じて、もっと軽い言葉に代えて使っても大丈夫です。


例)「〇〇ちゃん、おつかれさま! 今日も一日暑かったねー。うちの工場にも、そろそろクーラーがほしいよね…」



……それでは、今回の説明は終わりました。後は、実際の会話の場面で瞬時に文を思いつくように、一人でいるときに少し練習をしてみましょう!


携帯のメモなどに、思いつくまま例文をつくっていったり、電車に乗ったり車を運転している間に、頭の中でイメージトレーニングをしてみたり…。


なにも、気を張って「今から会話の勉強をするぞ!」と意気込まなくてもいいですから、もっと気軽に、「~ですね…~ですよね…」とつぶやいて、体に染みこませましょう。実際の会話のときに、とても役に立つはずです。